制服の自由化の問題については、それ以前に一つの問題がありました。襟章のカラーの問題です。それまで全校が海老茶色の襟章だったものがいつの間にか学年別の三色カラーに変えられたのです。それは明らかに生徒管理のしやすさを意図したものでした。

 私は抗議のためというより、面倒くさいという気持ちから自分のバッチを変えることはありませんでした。
 先生たちからは「お前は何年生だ」というよな言葉をかけられた覚えがありますが、それ以上の指導もなく、逆に生徒の側からの問題提起もなかったように思います。

 そんなことがあったので、彼らとO君が私服で登校した時も、ちょっとした問題提起としか受け止める頭がなく、大問題とは感じなかったのです。

 なにしろバンカラな学校の事、体操服などは半共有でそこらにある物を使い、調達が遅れると巨大なカギザキで腹が丸見えのようなものしか着られないというありさまでしたから。
 そういえば体操のジャージは学年別の色だったのか、覚えがありません。