ホーチミン氏のおかしなところは、民青諸君に渡すものと僕たちに渡すものに違いを持たせていてという事でした。

 民青は民青新聞という学生高校生向けの機関紙を読んでいるのです。

 では僕たちにもそれを読めというのかというと、そうではありません。

 何かの用事で職員室に行くと
 「○○君、ちょっと来てください」と声がかかり、そっと封筒が手渡されたのです。その中身は赤旗です。
 70点しかやらない僕に、おそらく民新よりも高級な機関紙を渡しながら、「セッチャンもカッチャンも、いい子なんだけれど、なかなか目がさめないねえ」「その点、君は頼りにしてるよ」と言いながら秘密めかして、赤旗を手渡してくれたのです。

 ここからが馬鹿馬鹿しい所です。

 私をCとしましょう。セッチャンはA、カッチャンはB。
 Cに渡す時にはAとBをけなし、Aに渡す時にはBとC、Cに渡す時にはAとBがけなされていたのでした。こうして、私たちABCの三人は、直ちに情報交換をして、新聞部の部室には赤旗が三部置かれていたのでした。