ハロウインが話題となった時の会話を、なんとなく記録しておくことにした。

 ある人はそれを、ハロー・ウイーンだと思っていたそうだ。
 ヨーロッパはオーストリアあたりのお祭りだと考えていたようで「ウイーンへ今日は」というような祭りがアメリカに渡ったものだというわけだ。

 それなら「なぜカボチャなのだ?」という疑問が飛んでくる。
 カボチャの原産地は中南米のはずで、ヨーロッパでカボチャの祭りというのもおかしなものだ。
 カボチャに着目する人は、アメリカ大陸に源を持つアメリカ原住民のお祭りではないかと考える。
 「そういえば確か初期の移民が苦労していた時に、原住民に食物を分けてもらったんじゃないか。それを記念してお祭りになったんじゃないか」
 「だから、お菓子をちょうだいっていうのかもしれないね」

 「いや、それは感謝祭であって、ハロウインとは違うだろう」と直ちに突込みが入る。
 調べてみると、ウィキさんには次のように書かれている。
 【感謝祭(かんしゃさい、英語: Thanksgiving Day)は、アメリカ合衆国とカナダの祝日のひとつ。Thanksgivingと略称されたり、あるいは七面鳥の日(Turkey Day)と呼んだりもする。アメリカでは11月の第4木曜日、カナダでは10月の第2月曜日になっている。日本のプロテスタントでは収穫感謝日と呼ぶ】
 その記事の中には、こんな記載もあってとても興味深いが、今日は深入りしないことにしよう。
 【一方、インディアン達は「感謝祭」は、この日を境に先祖達の知識や土地がヨーロッパからの移民達に奪われた、「大量虐殺の始まりの日」としている。・・・ワンパノアグ族を中心に、ニューイングランドのインディアン部族が結成する「ニューイングランド・アメリカインディアン連合」は、「ピルグリムファーザーズ」のこの「感謝祭」にぶつけて同じ日に、「全米哀悼の日 (en)」としてデモ抗議を毎年行い、喪服を着て虐殺された先祖達に祈りを捧げている】
 なお七面鳥にとっても大虐殺の日という訳だが、稀にこんな幸せな者もいるらしい。【感謝祭の朝には、大統領が二羽の七面鳥を屠殺される運命から恩赦する(Turkey Pardon)という行事がホワイトハウスで行われる】
 これ以上は感謝祭に深入りしない。

 ハロウィンは10月の31日である。カナダとアメリカの二つの感謝祭のサンドイッチになってはいるが、日にちが違うのだ。
 ここで、家族が団らんして会食する日であるというなら、「カナダとアメリカとに親せきのある家族はどうするのだ」という疑問が出てくる。あっちでやるのかこっちでやるのか、あるいは両方でやるのか。興味深いが、入り込まない。ただ両方でやる場合には七面鳥の犠牲者が増えるだろうということは想像に難くない。

 ハロウインである。
 10月31日である。もともとはその夕方からの祭りだったらしい。
 またもやウィキさんに教えてもらおう。
 【ケルト人の1年の終りは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていたが、時期を同じくして出てくる有害な精霊や魔女から身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていた】

 ケルト人が出てきた。
 古くは現代のフランス、ドイツあたりに居た民族で、その後ヨーロッパ大陸全域に広がったのがローマと同時代で、シーザーが闘ったガリア戦記のガリアとはケルトのことなのだそうだ。そして、フランス人のご先祖様らしい。
 
 さて、仮面である。
 31日の夜にカボチャのお面を被って魔除けにするのだが、【アメリカ大陸の発見以前はカブが用いられた】という。これでアメリカ大陸起源のものではないことが分かる。
 そして【カブやカボチャをくりぬいた中に蝋燭を立てて「ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-lantern)」を作り、魔女やお化けに仮装した子供達が近くの家を1軒ずつ訪ねては「トリック・オア・トリート(Trick or treat. ご馳走をくれないと悪戯するよ)」と唱える。家庭では、カボチャの菓子を作り、子供たちは貰ったお菓子を持ち寄り、ハロウィン・パーティーを開いたりする。お菓子がもらえなかった場合は報復の悪戯をしてもよい】
 日本的に考えると、ご先祖様が帰ってくるお盆に幽霊や妖怪が一緒に返ってくるとでもいうことだろうか。
 あちらは冬のさなか。日本では夏真っ盛りのお盆である。
 子どもたちは、いたずら妖怪の役回りを演じているということになろう。

 ハロウインの、語源は万聖節にあるとのこと。
 【「ハロウィン」の語源は、カトリック教会で11月1日に祝われる「諸聖人の日」(古くは「万聖節」とも)の前晩にあたることから、諸聖人の日の英語での旧称"All Hallows"のeve(前夜)、"Hallows eve"が訛って、"Halloween"と呼ばれるようになったとされている】
 なおこの万聖節=諸聖人の日も、もとは別の日だったものがいつの間にかケルトに引っ張られてきたもののようだ。

 というわけでオーストリアあたりというのは、ウイーンとは関係ないが起源的にはほぼ正解。
 カボチャだからアメリカ大陸起源という訳ではないので不正解。だが、お面やランタンを作るのにカボチャのほうが利用しやすいという面では、カボチャで正解。

 一言でいってしまえば紀元前のケルトの祭りにより、世界中でアメリカ大陸起源の七面鳥とカボチャが、急激に消費される日ということになるのだが、お菓子を貰える子どもたちには楽しい一日になるのだろう