通知表のPC化は、思わぬ効果をもたらした。一覧表提出日が数日後ろにずらされることになったのである。「転記」と「点検修正」の日数が不要になったので、終業式から逆算して日程が圧縮されるのは当然だ。

そしてそれは「実質指導日数」が延びることにつながったのだ。ここが重要なのだ。お分かりかな? これが実は学校にとっては、画期的なことであった。

教師は成績を集計するとあとは通知表作成に力をいれるため、指導への力が抜けることがある。実質の夏休み入だな。それが数日遅くなったのだ。「それではいけない、成績集計後の授業は二学期に反映する」というのが建前だが「暑い中で一息つけばあとは夏休み」と思うのが人情というモノ。

通知表PC化により一覧表提出日を例えば数日、具体的には5日下げたとしよう。3学期制では一年に15日、6年で90日が「実質指導日数」として復活する。90日は6時間授業として540時間。計算すれば半年が有効になる。

土曜日が休みになったことを嘆く人が多いが、年間35週間(学校は35週間が単位)に4時間なら120時間。小学校並みの3時間なら105時間が指導時間だった。通知表をPC化したことにより実に5年間以上の時間数が生き返ったのだ。

しかしだ。通知表PC化にも思わぬ落とし穴があった。押印だ。子どもは有効な時間数が増える。担任は作業時間が節約され誤字脱字のプライドも傷つかない。印刷費は節約できるし、データの蓄積もできる。しかし良いことづくめではなかったのだ。