飛行場を開墾する作業は、昨日まで突き固めてきた土地を、今日から掘り起こして畑にするということで、180度の方向転換でした。
 それを榊原剛さんの回想のように「昭和十年代の後半にはグライダーの離着陸訓練用の滑走路として使われるようになり、大きなぐり石で押し固められました。後に開梱が進む中で、このぐり石を取り除くのは大変な仕事だったようです」と述べておられます。

 しかもその土地ときたら、次のようにおよそ農業に適さない土地だったのです。

 ○ 立地条件
   開析台地、洪積層、標高40〜50メートル、傾斜0,
   土壌侵食なし、腐植欠乏土、極浅い土層で下層は重粘土。

   土壌分類はIa32213、この意味はIaが、非火山成土、非火山灰土壌の意味。
   あとは、褐色の鉱質土、強酸性、壌質、塩基欠乏、燐酸吸収は小。

 ここへの入植計画の大筋は、
 293.8ヘクタールに150軒を入植させる。
 田は9.3ヘクタール、畑を167.6ヘクタール、薪炭採取地を40.2,宅地18とするというものでした。

 しかし大地には水がないのです。
 田の本格的な実現には、愛知用水の通水を待たなくてはならなかったのです。