<性同一性障害>中1女子が男子として通学へ 鹿児島
  2月26日19時39分配信 毎日新聞
 鹿児島市内の公立中学校が性同一性障害(GID)と診断された1年生の女子生徒(13)に対し、4月から男子として通学することを認めたことが26日、分かった。

 埼玉県で小2男児(8)が女児としての登校を認められたことに続き、学校現場の判断で本人の意思を尊重した形だが、当事者や保護者からは行政としての対策を求める声が上がっている。


 母親や学校によると、生徒は2歳ごろから体の性が女であることに違和感を覚え、中学入学後はセーラー服を着ると「気分が悪くなる」などと訴え、登校できない日も増えた。両親は昨年7月に学校に相談し、9月から体操服での登校が認められていた。
 さらに今月20日に主治医からGIDの診断書が出たことを受け、学校は新年度から男子制服での通学を認め、学級名簿での性別も変えることなどを決めた。トイレは職員用の女子トイレを、更衣室は他の生徒とは別の部屋を使うことなどを検討している。

 家族によると、生徒は「やっと自分の望む制服を着ることができる。うれしい」と喜んでいるという。母親は「本人はとても苦しんでいたので、学校に感謝している。周囲に悩んでいる子はもっといると思う。教育委員会や県は専門医療機関と連携して相談窓口を設置してほしい」と訴える。

 学校現場での対応が続いていることについて、文部科学省児童生徒課は「個々の事実関係を確認しながら、国としても対応を考えていきたい」としている。【村尾哲、丹野恒一】



<性同一性障害>小2の秋から「女の子」…性切り替え容認

 埼玉県の公立小学校が性同一性障害(GID)と診断された小学2年の男児(8)に対し、学年の途中から女児としての登校を認めていることが分かった。全校児童や保護者にも事情を公表している。

 これまで光が当たらなかった子どもの性同一性障害とどう向き合うか、議論が活発化しそうだ。

 家族によると、児童は幼稚園の段階から体が男であることへの違和感があり、小学校入学後は男児用の水着を着たり立って小便することへの苦痛を激しく訴え、不眠がちになった。このため昨年2月に埼玉医科大のジェンダークリニックを受診、翌月GIDと診断された。主治医の塚田攻医師は診断書に「就学等の適応を阻害しないために女性として扱う配慮が望ましい」との意見を記した。

 学校側は主治医や親と相談し「本人の苦痛を取り除くことを最優先しよう」(校長)と判断。夏休み明けの同年9月、校長が全校児童に、母親がクラスの保護者に説明し、女児としての学校生活が認められた。
 児童は学籍は戸籍通り男児のままだが、男女別に整列する際や体育の授業などでは女児のグループに入っている。「からかわれることもあるけれど、スカートをはいて学校に行けるのがうれしい。女の子の友だちもたくさんできた」と話す。【丹野恒一】