気がつくと掻いていて、掻けば掻くほど痒くなる。
 それがアトピー患者の悩みだった。

 これまで、たかが痒みなんて、ガンや肝炎やインフルエンザに比べて研究価値が低いのだとは思っていた。
 おやぢだって、痒みか? それともガンか? と問われれば、それはガンを研究してもらいたいと答えるに決まっている。

 しかし痒いのだ。
 正確に言えば、掻いている自分に気づいたとき、始めて自分が痒かったということが認識されるのだ。

 自己認識ということを考える時、痒さを軸にするというのは、一つのアイデアかも知れない。

 目立たない記事に、光明を感じるのはおやぢだけではないと思うが・・・

 【アトピー性皮膚炎などの皮膚のかゆみを抑えるたんぱく質を、横浜市立大の五嶋良郎教授と池沢善郎教授らの研究グループが、マウスの実験で突き止めた。このたんぱく質には、かゆみを悪化させる神経細胞の過度な成長を抑える働きがあり、治りにくい皮膚のかゆみを改善する治療薬につながると期待される。国際皮膚科専門誌「ジャーナル・オブ・インベスティゲーティブ・デルマトロジー」に掲載された。(毎日新聞)】